離婚に際し,夫が隠していた預金などの財産分与を受けることができた事例
状況
Rさんと夫との間には,成人した3人の子供がいます。夫との婚姻期間は,20年を超えますが,結婚当初から夫は亭主関白で,家族皆が夫の作ったルールを守っていました。
Rさんの夫は,結婚後,数年で働かなくなりました。Rさんが一生懸命働いて,Rさん家族の家計を支えていました。
それでも夫は,Rさんを無視したりRさんに対し暴言を吐くことが長期間続いていました。Rさんと夫は,家を2つ持っていました。
Rさんは,夫との生活が耐えられなくなり家を出ましたが,夫は,2つあるうちの1つの家にRさんが暮らすことを拒みましたので,アパートを借りて暮らしていました。夫との別居も5年を超えています。
Rさんは,子供らが成人し手が離れたので,夫と離婚することを強く希望するようになりました。
そのため,離婚調停を申立て,調停は,一人で参加しました。夫は,調停での離婚を拒みましたので,Rさんは,訴訟を行いたいと思い,弁護士に依頼することを決めました。Rさんは,夫のことを考えると,動機がして,身体への影響も出ていました。
弁護士の関わり
弁護士が依頼を受けた後,訴状を作成し,裁判所に訴訟の提起をしました。離婚すること,Rさんから夫に対する暴言等に対する慰謝料請求,財産分与を求めました。
訴訟では,夫も弁護士を依頼しました。
訴訟の場では,夫がRさんとの別居時の夫名義の預金や生命保険の開示を行いました。働いていなかった夫がRさんの何倍もの預金をもっており,夫には高額の生命保険の解約返戻金がありました。
Rさんと夫は,裁判で和解をして離婚することにしました。
また,Rさんは,2つの家のうち1つを分けてもらい,まとまった金額の解決金を手にしました。
夫が隠していた夫の多額の預金の開示を受けたことに,Rさんは,とても満足しました。
補足
夫婦共有財産の調査のためには,裁判で調査嘱託という方法で,相手方名義の預貯金等を調査することが有効です。協議の場合には,相手方が同意しないと,銀行が開示に応じてくれませんので,調査には限界があります。
この記事を担当した弁護士
弁護士法人ユスティティア 代表弁護士
森本 精一
保有資格弁護士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
専門分野企業法務、債務整理、離婚、交通事故、相続
経歴
昭和60年3月 | 中央大学法学部法律学科卒業 (渥美東洋ゼミ・中央大学真法会) |
昭和63年10月 | 司法試験合格 |
平成元年4月 | 最高裁判所司法修習生採用(43期司法修習生) |
平成3年4月 | 弁護士登録(東京弁護士会登録) |
平成6年11月 | 長崎県弁護士会へ登録換 開業 森本精一法律事務所開設 |
平成13年10月 | CFP(ファイナンシャルプランナー上級)資格取得 |
平成14年4月 | 1級ファイナンシャル・プランニング技能士取得 |
平成25年1月 | 弁護士法人ユスティティア設立 |