養育費の一括前払いの約束を分割払いで合意し直すことができたHさんの事例
(事案)
Hさんは,妻と婚姻し子供が生まれたばかりでした。Hさんは,妻の両親との関係で悩んでいました。Hさんは,妻の両親に責められ過呼吸になったこともありました。そのような中,Hさんと妻との仲も悪くなっていきました。
Hさんは,ささいなことで妻と喧嘩をするようになりました。Hさんと妻が喧嘩をした後,妻が子供を連れて実家に帰ってしまいました。Hさんと妻は両親と双方の仲人も交え,離婚の話合いを数回行いました。話合いの席上,Hさんの意思の確認をすることなく,Hさんの親や仲人が妻の親に対し,養育費1000万円を一括前払いすると言ってしまいました。
しかし,Hさんは,そのようなお金はないし,今後,自分が再婚して子供ができるなどの事情の変化があるかもしれないので,養育費を一括で前払いすることに納得できませんでした。親や仲人の立場もあるので,Hさんは弁護士に依頼した方が良いと考え,弁護士のところへ相談に行きました。
(弁護士の関わり)
弁護士はHさんから協議離婚の交渉の依頼を受けました。Hさんは,弁護士を通じて,妻に対し,離婚したい旨,親権者を妻にすること,養育費を分割払いにしたい,財産を分けたいという自身の意思を伝えました。
妻は,当初は,養育費の一括前払いに執着していましたが,時間をかけて粘り強く交渉した結果,分割払いの提案を受け入れてくれました。その他,Hさんと妻には,結婚後に作った100万円ほどの預金があったため財産分けも行いました。
また,Hさんと子供の面会の内容についても取り決めを行いました。Hさんと妻は,合意した内容を公証人役場で公正証書にしました。
本件では,妻が提案した養育費1000万円の一括前払いという支払方法から,Hさんが希望した分割払いにまとめ直すことができ,Hさんの意思に適った解決ができました。
この記事を担当した弁護士
弁護士法人ユスティティア 代表弁護士
森本 精一
保有資格弁護士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
専門分野企業法務、債務整理、離婚、交通事故、相続
経歴
昭和60年3月 | 中央大学法学部法律学科卒業 (渥美東洋ゼミ・中央大学真法会) |
昭和63年10月 | 司法試験合格 |
平成元年4月 | 最高裁判所司法修習生採用(43期司法修習生) |
平成3年4月 | 弁護士登録(東京弁護士会登録) |
平成6年11月 | 長崎県弁護士会へ登録換 開業 森本精一法律事務所開設 |
平成13年10月 | CFP(ファイナンシャルプランナー上級)資格取得 |
平成14年4月 | 1級ファイナンシャル・プランニング技能士取得 |
平成25年1月 | 弁護士法人ユスティティア設立 |