長崎県弁護士会所属

弁護士歴30年、長崎県弁護士会会長を経験した代表弁護士をはじめ、4人の弁護士が対応します

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遺言があればよかったのに

遺言があったら,もっといい解決になっていたのでは?

CaseⅠ


Q 父は高齢で認知症です。母が先に亡くなりました。
母名義の預金が結構たくさんあるのです。
そこで,子供達で相談して,父の相続すべき分を先取りして,子供達だけで遺産分割することができないでしょうか。
A 意思能力のない父の遺産分割協議
法的には無効であるとともに,お父さんの署名を誰かが代わって記載すると私文書偽造罪になります。
あとで不満に思う子供達からその点を問題にされると大変なことになります。
お父さんには後見人選任が必要です。
後見人は職務上法定相続分1/2は必ず確保しますので,お父さんがお亡くなったときにもう一度遺産分割協議をしていただくしかありません。

CaseⅡ


Q 父の敷地に家を建てました。
母は既になくなっており,子供達は自分を入れて3人です。
父が亡くなったとき,ほかの2人から土地の分の代償金を求められていますが,
土地の時価額(3000万円)が高く,代償金を支払えません。
A 遺言があれば,遺留分請求があっても相続分の半分ですみます。
土地が3000万円だと相続分は1/3の1000万円ずつです。
代償金として2人分2000万円を支払う必要があります。
これに対し,遺留分の場合は,法定相続分の半分なので,1人500万円ずつの2人分1000万円の価額弁償ですみます。
これをみこして,父親は,生前に遺言を作り,家を建てた子供に土地をやり,遺留分に相当する500万円ずつをほかの子供に遺贈するという遺留分の先取りの遺言を作ることも可能です。

CaseⅢ


Q 子供がいない相続(と思っていた)
夫に先立たれたが,子供がいなかったので,遺産は全部自分のものになると思っていました。
A 妻以外に夫の両親が生きていれば,両親が相手になります。
両親が亡くなっていれば夫の兄弟が相続人になります。
夫に離婚歴があり,前妻との間に子供がいて,音信不通だったとしても,この子供らにも相続分があります。
夫亡くなったあと,夫の両親や夫の兄弟,あるいは前妻の子供達を相手にするのは大変だと思います。
両親は,直系尊属なので,妻が2/3,両親が1/3×1/2ずつ
兄弟の時は,妻が3/4,兄弟が1/4です
前妻の子供達がいると,妻は1/2,子供達の合計が1/2でこれを頭数で割ることになります。
そこで,遺言で全部妻にやるというふうにしておき,
両親は遺留分を行使できるが,両親の時の遺留分は相続分の半分なので1/3×1/2×1/2ずつで,1/12ずつで,合計1/6
兄弟には遺留分はないので,遺言のままとなります。
前妻の子供達の遺留分は合計で1/4です

このように,遺言があれば,もっとよい解決になった事例はたくさんあります。

遺言の作成のご相談は,弁護士法人ユスティティア森本綜合法律事務所へご相談下さい。

この記事を担当した弁護士
弁護士法人ユスティティア 代表弁護士 森本 精一
保有資格弁護士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
専門分野企業法務、債務整理、離婚、交通事故、相続
経歴
昭和60年3月
中央大学法学部法律学科卒業
(渥美東洋ゼミ・中央大学真法会
昭和63年10月
司法試験合格
平成元年4月 最高裁判所司法修習生採用(43期司法修習生)
平成3年4月
弁護士登録(東京弁護士会登録)
平成6年11月
長崎県弁護士会へ登録換
開業 森本精一法律事務所開設
平成13年10月 CFP(ファイナンシャルプランナー上級)資格取得
平成14年4月
1級ファイナンシャル・プランニング技能士取得
平成25年1月
弁護士法人ユスティティア設立
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